第6話 月夜に走ったエスプレッソ

★ココがどうしても出場したかったはずのバルサ戦(0-0引き分け)も、イタリアダービー(0-3敗戦)も終わってしまった3月8日ボローニャ戦の後半、クーペルさんはココをやっとピッチに戻しました(1-2勝利)。

★3日後の3月11日、CLニューカッスル戦で、ついにスタメン出場! WOWOWの放送があり、私も生中継を見ました。途中、選手同士のこづきあいも混じる白熱戦、2-2の引き分けながらも、好調のニューカッスル相手にインテルは健闘しました。ココはベラミーと並走し、シアラーやルアルアと体当たりでマッチアップして頑張りました。ああ、その姿がどんなにうれしかったことか。翌日のココファンBBSは試合の余韻が満ち満ち、みんなでいろんな場面のココのことを語り合いました。

★ココは試合後のインタビューで「監督とメディカルスタッフは、体が回復するために必要な期間を与えてくれたし、それでいい状態に戻れた。誰でも全部の試合に出たいと思うのは当然だけど、コーチの決定を尊重しなくてはならないし、チームメートともうまくやっていかなくちゃならないんだ」と語りました。ずっとベンチで不満いっぱいだったのは、誰ですかあ? なんだか、その間、周囲にさとされてきたことをそのまましゃべっているようなコメントで笑えました。

★調子が目に見えて上がったのは、次の3月16日コモ戦でした。チームが4-0の勝利をおさめたこの試合、ココは後半から元気に動き回り、絶妙のグラウンダークロスで「初ボボアシスト」かという瞬間もありました(オフサイドになる)。その直後には、サイドをたったか走って(笑)裏をつき、ボボからパスをもらってシュートを放ちました。オフィシャルの文字中継で「サイドネットを突き破るシュート」と書かれましたが、残念ながら「外側から」突き破る…でした(笑)。試合後にモラッティさんが「後半が特にスペクタクルだった」と言ったとき、私はそれがココのことだと信じて疑いませんでした。

★この試合、ココアシストゴールがオフサイドになって悔しがっていたボボが、戻りながらココのほうににっこり微笑むアップが見られたり、ゴールしたボボの頭をがっちり抱いて祝福するココの写真がオフィシャルのトップを飾ったり、うれしいおまけがありました。

★さて、インテルはCLの2nd roundを勝ち抜けられるかどうか、ぎりぎりのところにいました。それなのに、ニューカッスル戦でビエリが累積イエローをもらい、クレスポはケガからまだ復帰できず、レコバも違反行為で欠場中で、次のCLレバークーゼン戦のFWは18才のマルティンス1人という非常事態になっていたのです。アルメイダとマテラッツィもケガをしていました。

★3月19日、そのレバークーゼン戦をインテルは0-2で勝利。マルティンスの初ゴールと連続宙返りゴールパフォーマンスが大ニュースで伝えられました。でも、私たちの大ニュースは2点目にからんだココの初アシストでした! この試合、WOWOWデジタルでしか放送されず、日本では少数の人しか観戦できなかったのですが、ネットの文字中継、各スポーツ紙の評価、現地に知人がいる人の情報から、ココが大活躍だったと聞こえてきました。「見たい〜見たい〜」と騒いでいたら、ご好意により録画を貸してくださる方が!! そして、ついに絶好調ココを見たのです!

★ココは前半は積極的に駆け上がり、マルティンスの得点後はタイトなディフェンスでワザを見せてくれました(監督に忠実・笑)。特に、前半ハーフライン近くで奪ったボールをドリブルして相手ディフェンスの股間を抜きながら駆け上がり、モルフェオにマイナスのグラウンダークロスを出したプレーは、英語の実況で「beautiful run by COCO!」と称賛されました。そして、試合の終盤、再び自陣近くでボールを奪うと、途中マルティンスとのワンツーをはさんで一気に駆け上がり、クロス! エムレがそれをゴールネットに見事に放り込みました。インテルのCLクォーターファイナルへの通過を決定的にした瞬間でした。抱き合うココ、エムレ、マルティンス!!

★レバークーゼンのホームスタジアム・バイアレーナの空には満月がかかっていました。ココは身体の切れがよく、踊るように相手を交わしながら走るとき、顔には笑みさえ浮かんでいるように見えました。この試合を見て、私は「すみません。今まであなたのことをよく知りませんでした」とココに頭を下げました。自信にあふれ、躍動する姿を見ると、「よくぞ復活した」という思いに体中がしびれるようでした。不調やたびたびのケガに落ち込みながらも、あきらめず応援してきてよかった! ココ、ありがとう。キミは最高だよ!(涙)

★それにしても、この試合が広く放送されなかったのは残念でした。試合後のココのコメントを報じるオフィシャルニュースには、「ココはバイアレーナでの勝利戦で左サイドをエスプレッソ(特急列車)のように上下した」と書かれていました。(ココは、マルティンスを誉めたたえ、自分の好調よりもチームの勝ち抜けを喜び、これからフルパワーで戦えると、チームの明るい展望を語りました)。

[おまけ話] 〜レバークーゼン戦の報道から〜
ガゼッタ「インテルはココとエムレの連携により、左サイドでよい戦いを見せた。/ディフェンスを崩さなかったディビアッジョ、ザネッティ、カンナバーロ、ココは賞賛に値する。/エムレは絶好調のココのアシストからシュートを放った.」
RAI「ココは左サイドを独占し、レバークーゼンの最終ラインを混乱に陥れた。スポットライトは絶好調のココに当てられる。彼は90分、左サイドでボールをかすめ取ってエムレに送り、ぬかりなくアシストも成し遂げた」

第7話へつづく)

(02-03)第1話 運命の再会  第2話 期待がいっぱい  第3話 だめだめなココ  第4話 復活の兆し  第5話 クーペルさんの疑念

第6話 月夜に走ったエスプレッソ  第7話 海を渡って届いた「無念」  第8話 1試合だけの復帰  第9話 最高の男!

(03-04)第10話 苦難への誘い  第11話 手術室で奪われた未来  第12話 ここはどん底?

(04-05)第13話 愛されないということ 第14話 飼い殺しの刑  第15話 波乱の就職劇

(05-06)第16話 トスカーナに甦る

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